そのゆううつは、制限時間感覚の無さ。―ホリエモン『本音で生きる』を読んで
今日、とあるバイトの面接に行った。
行ったがなにか強い違和感を持って終え、すぐ帰るのも癪だったので本屋へ行った。
本屋の中を歩き回る。いつもは見ない新書コーナーがなぜか気になり、近づくと見覚えのある顔と名前。
ホリエモン氏である。タイトルはどどーんと自己啓発系『本音で生きる―一秒も後悔しない生き方』。
私はちきりんに強い影響を受けていた(そして仕事を辞めて夫をおいて海外に逃亡した経歴がある)ため、合理的な雰囲気の似ているホリエモンにも興味があった。わたしとはものすごく違って頭が切れて実行力のある人だから参考になるかわからんけれどもと思いながら手に取る。
ここで私は謝らなければならない。ホリエモンに。出版社に。紀伊国屋に。
本屋で立ち読みして全部読んでしかも2週してしまったことを。
ごめなさい。いいブログにして紹介するから許してください。
さて、『本音で生きる』で気になったのは主に3つ。
①「みんなプライド高すぎ」
②「すべてを最適化」「最短距離で」
③「意図的にノイズを取り入れるようにしている」
③からいきますが、ホリエモンは、居心地悪い情報も摂取しているのだとか。面白いよね。
いきなり全然違う話になるけど、ミスチルの桜井さんが、子育てする中で価値観がどんどん変わってきた、と言う話をしていた。それで、「これからも、どんどん価値観を壊されたい」と言っていたのに胸キュンしたことを思い出したよ。
ホリエモンも、意図的に自分とは違う意見を持つ人をたとえばtwitterでフォローするなりして、なんだこいつとか思いながらも意見を読む。そして、自分の中にある偏見を正したりするらしい。
私は、朝のテレビはつまらなすぎてすぐ消してしまうし、テレビの音がうるさすぎてリラックスできないから、基本的につけない。新聞も飛ばしてしまうページが沢山ある。ネットのニュースだってそんなに読んでない。嫌いな人には会いたくないし、嫌な音も嫌な臭いも人の悪口からも離れて暮らしたい。
ノイズをどれだけ抑えられるかを考えていたけれど、それだと今の自分より先には進めないのかもね。
さて、本屋で立ち読みして、目を上げて本屋を見渡すとホリエモンの思考回路があたまにのこっていて、ちょっとホリエモンになった気分で周りを見る。
頭ぐるぐる。頭ぐるぐるして、無職なのにうな重とグラスビールを飲んで帰途につく。
②なのです。「最短距離」と言う言葉が、脳にひっついて離れないのです。
最短距離。ホリエモンは、やりたいことを見つけたら、最短距離でいくことを考える。
ちきりんがいっていました。「わたしは常に余命6ヶ月と思って、生きてる」と。
「今やっていることは、半年後死ぬとしてもやりたいことですか?」
「それは、半年後死ぬとしてもやりたいことですか?」
今日はバイトの面接で、もちろん私なりに人生の戦略を考えてきたんだけれども、この疑問をうな重を食べながら考えていて、答えはYESとでてこなかった。
最短距離。半年後に死ぬなら、こんなのんびりしたやり方で、わたしはやっていない。
このところぐったりともっさりと頭が重かったのは、やる気がでないのは、アタマが冴えないのは、動かない手足は、まだまだまだまだまだ自分は死なないと思っているからだ。
たかをくくっているからだ。
半年後に死ぬなら、死ぬとしても叶えたい夢をかなえたい。
そのためだったなら、なかなか捨てられなかったプライドも置いて、わたしにできないことは他の人に頼んでしまえばよいのだ。
わたしは、なんでもたもたしていたんだろうか。