ゆりおろぐLIFE

エッセイと日々の活動。

ばかにできない、自己啓発本。中谷彰宏『笑われた人が、ヒーローになれる。』が沁みて沁みて。

大学生の頃、一冊の本に心をわしづかみにされた。

『大学時代しなければならない50のこと』である。

 

映画を愛し、映画監督を志し、毎日3本の映画を見て、夜24時に飲んで帰ってきても脚本を書く生活を大学時代の4年間続けた中谷さん。

 

「自分の中に辞書をつくれ」という言葉は今も思い返すし、「自分のやりたいことをやるのに理由をつけないで、徹底的にやりつけてみろ」という言葉に勇気をもらう。

作業が深夜に及んでしまい、集中しているから続けたいけど体に悪いな、というとき、あと一歩のがんばりを応援してくれるのは大学時代に出会った中谷さんである。

 

自己啓発本はよくばかにされる。わたしもよくばかにしてしまうし、読んで人生のなにかが進んだ気がするのは錯覚だし、読んでいる暇があったらその分の時間と労力を使ってやるべきことをやればいいのにと思うのだ。

そうして、大人になってから、本屋の自己啓発本コーナーをやたらとうろつくことは無くなった。

 

それなのに。

このころ中谷彰宏さんの本が、沁みてしかたないのだ。

 

「周りからどう見られるかということに注ぐエネルギーを、本来自分がやらなければならないことに集中することができたら、その人は簡単に成功できます。」

「リラックスしなければ、人生を楽しむことはできません」

「外野の雑音が気になっていることがスランプの原因だと理解していない」

「お説教するなら言ってください、何と言われようが構いません。」

「笑うなら笑ってください」

 

―中谷彰宏『笑われた人が、ヒーローになれる。』

 

≪いつも深刻な顔をしていたら、人生を楽しむことなどできない。≫

「リラックスしましょ」という中谷さんの言葉をよんで、そう思った。

さいきん、笑ってなかったなーと。

 

「あんまりシリアスになりすぎると、大事なものを見失うよ」

本で読んだインディアンの言葉を思い出す。インディアンのラコタ族の儀式では、ピエロ役がでてくる。ピエロ役は、真剣に儀式に向かう首長や皆の様子をからかう役回り。しかし彼らのツッコミやからかいは、時に本質を突くという。

 

現在わたしのなかの問題は全く解決しておらず、人間関係をどうするのか、仕事はどうするのか、なにも決めていない。

いつも、何が正解なのか、なにが逃げなのか、どう動くべきなのかわからなくなる。

結局「自分が何をしたいのかが大事」だとはわかっていても、アタマも心もがちがちになっているとき、自分がどうしたいのかわからなくなる。わからなくなるから、とりあえず周りの顔色を窺ったりして、ますます混乱してくるのだ。

 

リラックスしよう。リラックスできる方向に、からだを向けよう。

正解が欲しい問題もとりあえず置いといて、

開き直ろう、リラックスしよう。

 

そう思ってへらへらしていたら、昨日いっしょに怖い顔していた夫もすこしへらへらした。