ゆりおろぐLIFE

エッセイと日々の活動。

岬の喫茶店とこごめの湯。真鶴移住体験3日目/木村屋製パン所

朝ごはんジャーニー

真鶴のパン屋事情

パンにしよう、と夫と約束していた。

近所にパン屋があるので、朝一で買って、焼きたてパンを楽しもう、と。

 

今日はかなりのんびり起き、出かけたのは9時半ごろ。

コーヒーと柿をむいてカバンに入れた。パンを買ったその足で、景色の良いところで朝ごはんにしようと考えたのだ。われながら素晴らしい思いつきである。

 

真鶴にはかわいい地図があって、「最高のベンチ」とか「お林を望む」場所とか地元の人のおすすめ散歩スポットが書いてある。これも川口さんが作ったそうだ。

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(毎日眺めており、すでにぼろぼろ。)

 

 

パン屋にたどりつくと、ロールパンやシュークリーム、ケーキやお土産品しかない…

 

「今日のパンはまだ届いてません」とのこと。

かなしみ…

仕方ないので夫にブーブー言いながら家に戻り、たまねぎをチンして食べた。

 

 

そういえば昨日、川口さんは港近くに100年続くパン屋があると言っていた。

そんな伝説的なパン屋がまだ営業しているのだろうか。

試しに調べてみると、なんと食べログがあった。その名は、木村屋製パン所

電話番号もあった、電話してみるとすごく感じのいい女性の声で、「やってますよ」とのこと。

 

腹ペコだったがうきうきしてきた。

夫に車を出してもらい、買いに行くことに。

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5分後、港に到着。

 

お店本当にやってるーーーー!

とってもレトロなパン屋さんである。

 

 

ウインナーパンとコロッケパンで迷いに迷う。

「半分コすること」を固く夫と誓い合い、ウインナーとコロッケパン、カレーパンとピーナッツを選んだ。

 

店主はとても素敵な女性であった。私も年齢を重ねたらこんな雰囲気でありたいなあ、と思った。真鶴では最近毎日人が死ぬので葬式の関係でパン屋さんも忙しいとおっしゃっていた。

 

店内には小さいがテーブルと椅子もあり、ここで食べることもできそうだ。

 

tabelog.com

 

どこで食べるか問題

できれば景色の良い外でごはんを食べたい。

車があるからもう少し足をのばそうか、ということで荒井城址公園に向かった。

ものすごい角度の、ものすごい道だった。

しかしながら駐車場がないことが判明。浅はかな我々は泣きながら道を戻った。

 

そうして結局向かったのは、ケープ真鶴。

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マイクロソフトのピクニックシートを芝生に敷いて、朝食にすることにした。

眼下には海、見上げると背の高い松の木、下はマイクロソフト、そして食べるのは素敵なおばあちゃんのパンである。私のむいた柿もある。

 

とても気持ちが良かった。

 

パンは、カレーパンが一番人気。揚げパンが多分おいしいのだ。

食べ終えると、夫はすぐ後ろにある足湯に浸かり、わたしはピクニックシートでごろごろした。

 

大きな鳥がゆったり空を漂っていた。鷲と鷹とトンビの違いについてグーグルで調べ、最近ハヤブサがインコ科に変更されたことがわかった。

近所のパン屋がのんびりなおかげで、私は猛禽類について少し詳しくなったというわけである。

 

その後、三ツ石に続く階段を途中まで降りる。

 

「海の岬の喫茶店」という、夢のようなカフェがここにあることを私は知っている。

 

なぜなら昨日寝起きで三ツ石に来た時に発見し、こんな夢のようなカフェが開いているはずはないと思ったからだ。

 

目の前は海、朝日がガツンと見える特等席。真鶴半島最南端のはしっこの崖の上、

緑と花がいっぱい植えてあった。

 

 

 

しかし、今日行ったら開いていた…

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信じられない。

私は自分の強運に驚いた。しかし店主の女性に聞いてみると、毎日営業しているとのことだった。営業時間は10時から16時である。

 

海の岬の喫茶店。

 

どこかの小説や映画のような、本当に9割ロマンでできているようなお店ではないか…しかし店長は「最近たぬきの群れがでていて大変なの。あとトンビに餌あげるのは良くないから注意してます」という実際的な話をしてくれた。

 

我々は朝ごはんを食べたばかりだというのにペペロンチーノを注文し、ばくばく食べた。

 

店長は魔法が使えそうな女性で、私はとても素敵だと思った。毎日びっくりするくらいきれいな景色を見て暮らしているのである。心も洗われよう。

 

 

虹の岬の喫茶店 (幻冬舎文庫)

虹の岬の喫茶店 (幻冬舎文庫)

 

 その後、ケープ真鶴でマンゴーバニラソフトクリームを食べたり、トイレに2回も行ったりした。無料の休憩所あり足湯あり、アジサブレなどお土産品も売っていていいところである。

 

湯河原の格安日帰り温泉へ

今日、夫は名言を吐いた。

「朝ごはん 食べて起きたら もう16時だ」

 

朝ごはんジャーニーを終えた我々は、ピクニックで日光をたくさん浴びたら疲れてしまい、ぐーぐー寝てしまったという意である。

 

気づくと、16時だった。これでは何のために朝ごはんを食べたのかわからない。

いや100歩譲ってすごくたのしい遠足をしたのだ、それは間違いないことだが、今日1日のエネルギー源として摂取した朝ごはんの栄養素がなんとなくもったいないではないか。

 

夕飯の支度をなんとか行い、早めに食べた。

今日は、これから湯河原に出かけるのだ。

真鶴には温泉がない。しかし車で10分走らせれば、湯河原にたどりつく。

たくさんの高級旅館が日帰り温泉プランをたてているが、我々が選んだのは渋いこちら。

 

湯河原町営こごめの湯である。

 

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日中は入浴料1人1000円だが、19時から21時は500円で入れる。

お湯は2種類、シンプルだが露天風呂もあり、お肌もこころなしかしっとり。

 

風呂上がりにはブルガリアマイルドプレーンを飲んだ。

しあわせ…

 

銭湯感覚でしょっちゅう通いたいものである。

 

一日ゆっくり日帰り温泉「湯河原温泉こごめの湯」公式サイト

 

晩酌は塩うずわとともに

帰ってから、夫はビールを飲み、私はノンアルコールビールの雄・アサヒドライゼロを楽しんだ。お供はおととい居酒屋で持ち帰ってきた塩うずわである。

 

塩うずわとは宗田鰹のことで、真鶴の特産品である。足が早いので、塩漬けにしてある。これが信じられないくらいしょっぱいのだが、カツオのうまみもぎゅっと凝縮されており、お酒のつまみには最高ときているのだ。

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今日は寝てばかりの1日だったが、とても面白かった。

真鶴。

車で5分で海と林がある。

10分走れば温泉がある。

干物はウマイ。人は優しい。

こんな町で暮らすためにはどうしたらいいだろうと、考え始めている自分がいる。

 

 

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(海の岬の喫茶店入口。日の出前の5時20分ごろ)