ゆりおろぐLIFE

エッセイと日々の活動。

育児が私を自由にする

なんだかんだ、3年前から無職だ。

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その間海外に行ってボランティアしてみたり、カフェ開店目指して飲食店でアルバイトをしたり、自分でイベントを開いたり趣味に没頭したりしてみたけれど、みんな飽きた。

 

平和にも貧困にも深められそうだった趣味にも、他人にも、大した興味も関心もないのだ、わたしは。と思って絶望しているうちに妊娠した。

 

妊娠中はコロコロした体型やだるいホルモンのせいにしていたが、本当にやりたいことがなかった。ただ苦しいことや嫌なことがなければいいと祈り、あれば愚痴っているだけだった。

 

「赤ちゃんが生まれたら、自分のことなんて何もできないよ。」

 

したいことは今のうちだよと、色んな人に脅されていたのにわたしは何もしなかった。

心を強く動かされることがない、やりたいと思えることがなかったのだ。

ああーと思っているうちに、出産を迎えた。

 

ああー。どうなるのー。全体的に私の人生どうなるのー。夫も無職だしー。

 

ところがどっこい、赤子が生まれてから、私はやりたいことや夢が増えた。 すごく増えた。宇宙的に増えた。降り注ぐ星の光のごとく増えた。

 

例えばもっと、赤ん坊を広い部屋で遊ばせたい。外国に連れて行って、外国語のシャワーを浴びさせたい。肌の白い人、黒い人、茶色い人に会わせたい。労働を尊ぶ人と率直に嫌う人に会わせたい。

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赤子の成長を見守りつつ、自分の健康を守れる仕事を見つけたい。

 

Webサイトを、思いのままに作れる人になりたい。引く手数多の人材になりたい。

株もたしなむ人になりたい。世の中の動きと、繋がる頭を持っていたい。

オリジナルのTシャツを作りたい。赤子のお尻にぴったりの、ワッペンを作りたい。

 

もう1人、2人、子どもを産みたい。

 

そのために必要なお金よ、仕事よ、スキルよ、勉強よ。

そして時間よ。

 

赤子の成長は待ってくれないので、〆切も決まる。無駄にできるほど、手持ちの時間は多くない。

気分が悪くなるだけの、愚痴を言う時間は削る。だらだらSNSを見る自由は手放した。発言小町も手放した。なんで夫お皿洗わないの、と鬱々する暇があったら自分で洗うことにした。

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やりたいことは最短距離でメンタルが疲れない方法で、と心がけていたら、毎日ひきこもりなのにたのしくて仕方ない。

 

基本的に、テンションの低い、体力もない、飽き性の私は、赤子が生まれなければ、こんな活力に満ちた毎日を過ごすことは、きっと生涯なかっただろう。

 

赤子は私から時間をとるが、その代わりに夢を与えた。

夢は私にエネルギーをくれる、軽々動ける体をくれる。

 

なんでもいい、今たのしいからこれでいい。