ゆりおろぐLIFE

エッセイと日々の活動。

子育ては、日記の書けない日々。

日記の書けない日々が続いていた。

何と言っても、朝自分が何をやったのか、思い出すことすら困難なのだ。

 

これと言って何もしておらず、かといって何もしていないというわけでは全くない。子どもの安全確保と栄養摂取に常に忙しく気が抜けない24時。子育ての困難さというのは、この辺りに秘密があるのかもしれない。

 

今日の私は何をした。いっしょうけんめい思い出す。

今朝は、夫が赤ん坊と早く起きていた…蒸しパンを食べさせてくれた。蒸しパンはよく混ぜなかったようで下半分ががちがちになっていたことや、ゆうべの洗濯が途中で止まったままぐちゃぐちゃの洋服が洗濯機から出てきたことなどを思い出した。

 

夫を見送り、赤ん坊にご飯を用意した。テーブルをセットして、食べさせながら今日のスケジュールを考えた。赤ん坊の指導により、13回くらい乾杯の音頭をとったり顔芸をしたりした。

 

食べ散らかされた跡地の片付けをしながら24のシーズン7を見た。ジャックバウワーはまたクソみたいな出来事に巻き込まれていた。ジャックバウワーはがんばってるのに全然幸せになれない。うんざりしたりドキドキしながらこの男の人生を見続けて、もう2週間ほどになる。皿洗いをするとき、赤ん坊の尻を拭くとき、いつもジャックはそばにいる。

 

乳をくれと言ったり繰り返しうんこをする赤ん坊をあやし、尻を拭く。保湿剤を塗りたくる。着替えさせる。そうしながら今日のスケジュールのことを考えた。今日は何時頃寝るだろうか、何時に出かけられるだろうか。トイレへ行く。赤ん坊が付いてくる。クマのぬいぐるみもついてくる。

 

冷蔵庫の中身と作り置きの残量と、新たに作る赤ん坊のごはんのメニューを考え、買い物と調理のスケジュールを立てた。赤ん坊が騒ぎ出したので乳をやり、外出時間の予定を脳内調整した…

 

 

…なるほど、だいたいいつも断続的に子育てをしながら、スケジュールのことを考えていることがわかった。

 

子育てのキツさというのは、予定のたてにくい中でいかにやるべきことややりたいことを実現するかという超・臨機応変スケジュール管理の大変さなのだ。

 

それ以外に、今日はいくつか進展があった。

 

・認可保育園の申し込み結果が出た:希望の園には入れなかった。

・転職エージェントのサイトをチェック:第一希望の企業に落ちた。

 

ずーんと落ち込んで、落ち込んで、スケジュールのことは考えられなくなった。次の手は考えられなくなった。

考えられなくなったので、午後休みの夫に赤ん坊を預けてカフェに逃亡した。逃亡先のスターバックスというナイスなカフェのいつも座る大好きな窓際の席に座った。まもなく隣に女子高生みたいな人たちが座った。女子高生みたいだなと思ったが、よく見ると女子高生だった。

 

女子高生みたいな人のぐちゃぐちゃとした会話を聞いていたらもっと今後のスケジュールを考えられなくなり、鬱っぽくなった。

 

夫に泣きついた。「おおごめんなさい、夜はごはんを作れません」と言ってみると、夕飯は外で食べることになった。やったーこんな人間がラーメンを食べてもいいものか。

 

入ったのは菅野美穂のポスターの貼ってあるラーメン屋だった。狭い店内にベビーカーを転がして、てっきり邪魔に思われるだろうと思ったのに、店のおじさんは予想外に親切だった。可愛いプラスチックの小皿とコップまで出してくれた。信じられなくて、2度見した。

 

赤ん坊は足をぶらぶらさせていた。私と夫は太かったり細かったりするラーメンをすすり、赤ん坊はパンをかじったりパンを投げたりした。ラーメンは熱く、程よい辛さだった。

 

トータルして、今日もつつがなく終わった。とにかく今日も生きたし、健康だったし、人は殴り飛ばさなかったし全体として勤勉だった。明日はもっと笑いたい。

 

赤ん坊はもうすぐ1才になる。イタチによく似ている素晴らしく可愛くとんでもない赤ん坊である。赤ん坊はどんなやつでもとんでもないから仕方ない。

 

今後のスケジュールは、まだ考えられない。