ゆりおろぐLIFE

エッセイと日々の活動。

くさい冷蔵庫

冷蔵庫がくさい。

 

壊れて2週間経つのだが、我が家は元気にやっている。冷蔵室がなまあたたかい空気を吐き出すようになったものの、野菜室と冷凍庫が生きているので、なんとかなるのだ。

冷蔵必須の牛乳やバターやを野菜室に避難させたら、もう別にいいやという気になった。多少腐っても火を通せばいいや。あと半年くらいこのままいけるかも!私すごい!と思ったが、野菜室に入れていたカブも人参も凍ってしまい解凍するのが面倒になってきて、いやここ頑張るところと違うでしょと思い直した。

 

修理をよんだ。

修理の人は大抵いぶし銀みたいに渋い。ろくに問診もせずこちらと目も合わせず、ブツをちらっと見ただけで症状がわかる、スキルフルな職人肌の人という感じだ。

 

今回のいぶし銀によれば「霜取り機能の故障で部品も生産終了になっているのでナオセマセン」とのことだった。

いぶし銀にもできないことはある…

 

霜取りすればいいのかと、しばらく該当箇所を菜箸で霜をつついたりあたためたタオルをあてたりした。表面の霜がとれて満足したが、奥まで巨大な氷があることがわかり、断念した。

 

買うか。

 

実を言うと、先週末で夫は仕事を辞める予定だった。

 

夫婦2人で無職、くさい飯をくうのか…いや捕まるわけじゃないけど…くさい冷蔵庫で…とこのタイミングでの夫の失業に鬱々としてきたが、

しかし冷蔵庫が壊れたことが功を奏し(?)夫は辞めないことにしたようだ。

 

われわれは、意気揚々と冷蔵庫を見に家電量販店に行ったのであった。

お金の見込みがあるということは、希望である。私は神様と夫に感謝の祈りを捧げ、自動ドアのボタンを押した。

 

冷蔵庫が届くのは3週間後となった。

 

くささに耐える強靭さと計画的に中身を処分していく緻密さが求められる…